16の夏~ボールを追いかけて
約束をした1月後半。

俊平は別れ話を切り出せない。

当然だ。

「ほかに好きな人ができたから

 別れてほしい。」

そんなドラマみたいな展開で

そんな言葉を告げる勇気はなかった。


決心してから気づけば2か月が経ち

春休みを迎えようとしていた。


なかなか答えを出さない俊平に対し、

渚は焦っていた。

「本当に別れてくれるの?

いつまで待てばいいの?」

当然だ。俊平もこの言葉にようやく

決心した。


「距離を置こう。」

それが精一杯の言葉だった。


突然の言葉に莉奈は困惑した。

「なんで!?いやだよ。どうしてなの!?」


「・・・・。」


「ほかに好きな人が出来たの?」


「・・・・。」

「違う。」

俊平はウソをついた。

「俺ら合わないんだよ。ケンカも多いし。」

「メールで終わりなの!?

いまから会って話してよ」


「わかった。今から行くから待ってて。」

そう電話を切って近くの公園へ向かった。
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