16の夏~ボールを追いかけて
俊平のクラスのマドンナ的存在の里奈。

里奈は渚の親友の唯と仲が良い。

そんな彼女も渚同様に俊平に思いを寄せていた。

入学式の日にメールアドレスは交換していたものの、

メールを交わしたことは一度もなかった。

そのため俊平は里奈の気持ちを知る由もなかった。

内気で奥手の里奈は普通にメールを送ることができなかった。

そんな里奈は間違いを装ってメールを送った。

友達に送ったつもりが俊平に間違って届いてしまったという作戦。

すると俊平から案の定返事が返ってきた。

「間違ってない?」

里奈の作戦が功を奏したのか、二人はこれをきっかけにメールをする仲になっていった。

そしてその情報は当然、渚の耳にも入っていた。

渚は嫉妬した。当然である。

好きな人が他の人とメールをしているのだから。


渚は決意した。
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