たまには甘くいきません?<短>
「今日はご飯食べに行こうっていたじゃないですか!」
『ちょっと待って下さいっ…もう少しで一段落つきますから…っ』
貴方はまた原稿に夢中。
「ふん」
『…………これで許してください』
唇に感じる、柔らかな感触。
キス、されてしまいました。
…それだけで私の機嫌はなおってしまいます。
大人しくソファーで待っていたら、書き終えた貴方がやってきました。
いよいよご飯だと立ち上がった私は、無言の貴方に手を引かれます。
不思議に思いながらもされるがままでしたが、マズい予感がします。
「ここ…玄関じゃなくてベッドルームですよ」
『さっきのキスで我慢出来なくなってしまいました』
腕を強く引かれてベッドに倒れてしまいます。
「ちょ…やっ…ご飯はどうするんですか…!」
『本当に嫌ですか?そのわりには――――』
あれから貴方は私に触れるようになりました。
『あー…今迄我慢出来ていた自分が不思議です』
「やっ喋…っな…い……!」
『何言ってるか分かりません』
解き放たれてしまった貴方は、いわゆる…エス…というものなのでしょうか。
私はいつもいじめられてしまいます。
でも、不思議と嫌では無いのです。
これも、貴方を愛してしまった故。
もう、離れられません。
私の不満は、今ではすっかり消えてしまいました。
『…目、そらさないで下さい』
そらすわけありません。
もう、そらせません。
完全に、貴方の生み出す刺激に溺れてしまったのです。
もう一生、我慢なんてしないで下さいね。
-END-