たまには甘くいきません?<短>


「っ…!」

手が、下に下がったと思ったら、お腹に冷たい貴方の体温を感じます。

それだけで僅かにですが、反応してしまいました。


そんな私を、貴方は笑います。


『触れられたい、と言ったのは貴方ですよ?』


貴方の手はあらゆる方向へ這い回ります。

私の体が跳ねた事を良い事に、貴方の手が私の背中へ入り込みました。


スッと背筋を撫でられ、ある場所で、その手は止まりました。


『…外しますよ』

「えっ!?」


流石に、驚きます。
…触れて欲しいとは言いましたが…まさかこんなに早く、こうなるとは思いません。


『貴方から誘ったのではないですか』

「あ…あの…や…それは…」


私は狼狽えてしまって、貴方の目から逃げることが出来ません。


そんな私を貴方は笑って、あっという間に手は離れてしまいました。


依然、二人はベッドの上ですが、貴方の表情はいつもの表情に戻っていました。




『…貴方がそんなに追い詰められていたなんて、気付かなかったんです。僕は僕で我慢するのにいつも必死で…。僕だっていつも貴方に触れたかったんですから』


貴方は貴方なりに、私を想ってた事を知らなかっただけでした。



『僕だって貴方が大好きなんですよ』




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