pazuru☆pi-su


フン・・・。

予想どうり・・・。

返事がない。


よし・・・。もう一回。

「小泉さん?どうしたの?聞こえなかった?」

ひつこすぎたかしら??

――その時・・・

小泉さんの隣の小山君が、




「!!!」



とひらめいたように、真ん丸い目をキラキラと輝かせた。



そして、小さな声で小泉さんにつぶやき始めた。

起こしてあげているのね・・・。

――うる。
まぁ、なんていい子なのかしらっ!

小山君は何度かゆすった後、小泉さんの肩に手を置き、
揺らし始めた。

・・・。
小山君!
そこまでしてくれるなんて・・・。

まだ、心配そうに小泉さんにまたあきらめずに起こしてるわ・・・。

去年までは考えられない事だわ・・・。
本当に、教師になって良かったわ・・・。

うん・・・、うん。
私が喜びにひたっていると、耳に届くか届かないほどの声がした。

「ぅん? ・・・なんだよォ~。うるさいなぁ!」

最後の『うるさいなぁ!』は、ちゃんとみんなの耳に届いたようね。
みんなびっくりして小泉さんをみてるわ・・・。

ウフフ。
いいわねぇ・・・。

でも、気になることがあるの・・・。

うるさいって何?
あんな必死に起こしていた小山君に・・・

うるさいなぁ!
って何?何よ?何なのよ?

むきィィィィィィィィィィィィ!!!

この子、呪い殺してあげようかしら、まったく・・・。

こんな時は私が、喝を入れなくちゃ・・・。




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