初恋
「……はーな、なーにずっこけてんの」
「…………ゔ」
痛さと驚きと航ちゃんに見つかった恥ずかしさで涙があふれた。
結局、航ちゃんに手伝ってもらい起き上がり、
そのまま隣の席で授業を受けることになってしまった。
「大人っぽくなったと思ってたのに中身はそのままなのな、…なんか安心した。」
「いや、大人!!ただ、今日はちょっと…。ね……」
はぁ、かっこわるい。
「……はいはい、」
そう言ってニヤッと笑う君の笑顔にドキドキする。
あの頃より大人になった航ちゃんが隣にいる、
そのことがまだ信じられない。
しばらく静かに授業を聞いていたら、また話しかけてくれた。
「…………もうさ、話せないかと思った。」