初恋











「え?」





「あのあとも何度かハナのこと見かけたんだけどいっつも彼氏といるし。」



「いや、…そんなことない!!」



「しかも彼氏と目あうと睨まれるし。完全に敵視されてる、…気がする」




「え…」

高木は気付いてたの……?
そんな話題一言も…





「ただの幼なじみなのにな、…普通にハナとイロイロ話したいんだけど」





なんの悪気もなく、ありのままのことを語る航ちゃん。




”ただの幼なじみ”





それだけ。

あたしだけ。




あたしだけなんだよ。












航ちゃんの一言一言に

小さく傷ついてしまうのも



航ちゃんのことを

忘れられず生きてきたことも。





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