初恋

 





それは突然だった。



中学2年生の秋、
身長も追い抜かされ、そしてなにより人生ではじめて違うクラスになったあたしたちは同じマンションに住んでいても話す機会がめっきり減ってしまっていた。




「香椎、」


「え…航ちゃん?」


「もうやめよ、お互い中学生だし。名前で呼び合ってると勘違いされる。」


「…勘、違い??」


「……俺はハナのこと香椎って呼ぶから。ハナには強制はしないけど…俺のことも考えて。」




「……わかった、」





航ちゃんが冷たい。




いつでもハナ、ハナって言ってくれたのに…いまさら、なによ。

なによ。航ちゃん。



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