初恋
「好きな人…かぁ。
航ちゃんにもそんなに好きな人がいたんだね、」
胸にグサグサと刺さる
私の知らない航ちゃんが
いたるところにいる。
ずっと一緒にいた
14年間が
遠い遠い昔のように思える。
あたしが見てきた
航ちゃんと
今の航ちゃんは
少し、別人のように感じる。
それほどの長い期間を
それほどの重要な期間を
あたしたちは、
“バラバラ”に
過ごしてしまったんだね
「…バカ、
あーもうあんたって子は」
真美奈がため息をついたと同時に少し懐かしい声がした。