初恋
「だから、ハナちゃんが雪斗と別れたときはヨッシャー!!って思ったんだけど結局、声かけらなかった」
「高木のくせに…?」
からかうみたいに言ってみたのに、高木は下を向いたまんまで。
「俺、いろいろしたんだ
ハナちゃんと同じクラスになったから…
ハナちゃんにどうしたら好かれるのかなって。
ハナちゃん、3年のときには既に男嫌いって噂あったから…
まともに「好き」って言っても怖がられちゃうかなって思った。
だから逆にもうウザいくらい付き纏ってやろう!とか
チャラ男っぽくしてみよう!とか
先生に怒られるの嫌だったけど髪も染めて
痛かったし怖かったけどピアスも開けちゃった
親父にも大分怒られたけどねっ
そんなの関係なくって」
「!!?」
「ハナちゃんは覚えてないと思うけど、俺、高3の始業式は真っ黒の髪の毛に…眼鏡かけてたんだよ?」
「……」
全く、想像なんかできなくて。
高木はいっつもヘラヘラしてて
金髪で、誰とでも気さくに喋って
ピアスいっぱいで
チャラ男の典型なのに…。
「ビックリした?
やっと一年たって自分でもこのキャラに馴れだしたよ。」
高木はやっと顔をあげて、
悲しそうに笑った。
私なんかのために……
高木…。
あなたには
幸せになってほしいんだよ