初恋
≒
……side 高木 亮……
高校に入学しても、中学からの連れの雪斗とは相変わらず仲がよかった。
クラスは違ったけど、休み時間にさえ雪斗のクラスに居座るほど。
実際、自分のクラスよりも雪斗のクラスのやつの方が仲がよくて、暇があるたびに隣のクラスにいた。
そして、5月。
雪斗の隣の席が、
香椎はな だった。
「あっ…」
一瞬。
これが、
一目惚れ…?
目が離せなくて
ドギマギした。
「ん?どした?」
雪に言われるまで、そのことにさえ気付かなくて。
「あ、あの子可愛いね」
そう言ったときには、
俺の恋は、終わっていたのかな。