初恋
「じゃあ、俺付き合ってみせる!」
雪斗が冗談のように軽々しく言い放った。
「なんで、そうなんのーっ?」
ふざけて言ったけど、内心焦った。
雪斗が、面白い悪戯を思い付いたような顔をしたから。
雪はいいやつだけど、
めちゃくちゃ負けず嫌いで。
特に、俺に負けるのだけは気に入らないらしかった。
直接はそんなこと言ってこなかったけど、この学校へ入学したときも、俺が特待生になったことに不満げだった。
「亮よりは早く彼女ほしいわ」
やっぱり……
本気。。
「俺は好きになった人と付き合えればそれでいーしっ」
「そんなんだから彼女出来ねーんだよ」
「べつにいーしっ」
話しながらも
香椎はなを見る雪にイライラしてしまう。
香椎はなは
窓際で女の子たちとしゃべっていて
風で揺れるカーテンを背景に
とても可憐で。
でも、どこか
淋しさを感じたんだ