初恋
「ハナちゃん?かわいー!!彼氏いないの?付き合ってー!!」
無理矢理のテンションで
良歌は失笑って感じだったけど
とりあえず、ハナちゃんには
俺、を認識してもらえた。
そこから俺の猛アピールに
一ヶ月もするとハナちゃんは容赦なく罵声を浴びせるようになり、
少しずつクラスの男子とも
しゃべるようになったし、
よく笑うようになった。
それを見守るのが
俺の楽しみであり幸せだった。
良歌には
アンタ、ドMなの?と
何度もからかわれたけど。
でも、初めてハナちゃんを見たあの日の
淋しい面影は
いつになってもなくならなかった。