初恋
「香椎?…ハナ?」
「…………」
ねぇ、航ちゃん…
泣きたいの、
泣いたら…昔みたいに……抱きしめてくれる?
頭をポン、てして
ハナの痛いの俺がやっつけるから
って言ってくれる?
ねぇ、ねぇ、
おねがい…
ぜんぶ、ぜんぶ、
あなたに再会できたことさえ
夢ならいいのに。
「…久しぶり。」
やっとの声は、その5文字で精一杯だった。
「……ほんとにハナ?…うそ、まじ………?」
「………ね、び…びっくりしちゃった」
なんでいまさら、なんで
”ハナ”って呼ぶの?
「同じ大学か…」
「…うん。」
「今日あんま時間ないんだけどさ…、今度またゆっくり会いたいし、携帯教えて?」