君が教えてくれたこと。
フタリ

特別

「桜舞!」一発で呼ばれたその名前・・・。初めて自分の名前が桜舞でよかったと思えた。

だって、自分の名前を当てた人が、トクベツにおもえるんだもの。

「君は?」そうあたしは聞いた。そしたら、君は、後ろを振り返った。


そこには、浦田 桜舞って書いてあった。同じ名前!?

いや、さすがに浦田は男の子。オウマという名は女のあたしにつけられた。
だから、多分読み方が違う。だとしたら?・・・オウブ?

「うらた・・・おうぶ?」

「すげぇ!!俺の名前一発で呼んだやつ初めて見た!!」

「あたしも。あたしの名前を一発で呼んだ人初めて見たよ!!」

おうぶもなんだ。てかおうぶでよかったんだ。

「おい浦田!!早く行こうぜ。遅れるぞ。」

「ん?ああ。俺、腹痛いから次の授業休む。」

「ウソつけこのぉ!何?美人とお話し?まぁいいや。4時間目はこいよなぁ!」

「おう!」
・・・二人きり!?
「こっちきて。」


連れてこられたのは、屋上。
すると、、、

「どうした・・の?」
いきなり後ろから抱きつかれ、耳元で静かにこうささやかれた。

「俺、お前のおかげで初めてこの名前でよかったって思う。だって、一発で呼んでくれた奴が特別だっておもえるだろ?」


「おうぶもそう思う?あたしも思ったよ。大げさかもしれないけど、モノクロの世界が、
カラーの世界に変わったんだよ。」

「今度は、作り笑顔じゃないな。マジの笑顔だ。こっちのほうがずっといい。」
ホントにやめてよ。その不意打ち。
こっち見ないで。眼鏡で隠れて見えにくいと思うけど。
あたしすぐ赤面しちゃうんだ。
そんな顔で、見られたら、あたし、ココロの中で思ってること言いたくなっちゃうじゃん

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