君が教えてくれたこと。
「トクベツってあたしのことだって思ってもいいの?」

ほら聞いちゃった・・・。わかってる。自惚れちゃだめだってことぐらい。でも・・

「ごめんね。ただ名前呼ばれたぐらいじゃ・・・ね」
自分で聞いときながら、自分で答え出しちゃってるし。

「おい。桜舞!」
え?
と振り向いた瞬間、唇と唇が重なった・・・のがわかったのは離れてからだった。

「・・・高校1年の女子って、中学の時に経験することすべてやってんのかと思ってたけど。何でそこまで赤面するわけ!」

「な、なによ!!人のファーストキスとっておいてそのセリフ!!」

ヤバイ・・・今、顔見られたくない!

「くすっ。大丈夫だよ。笑わないから。こっちおいで。」
「もうすでに笑ってるじゃん。」
って言っておきながら、体が勝手に桜舞のほうに行っちゃう。

スッ―――

あたしの眼鏡が外された。抵抗しようとも、その笑顔じゃできないよ。

「やっぱり外したほうがかわいいよ。」

「が、学校だから、化粧してないよ。あんまり見ないで!」

「大丈夫。すごくかわいいよ。化粧してないのに、こんなに可愛いんだったら、化粧したら、どんだけかわいいんだよ。」

そういって、桜舞はあたしのほっぺに手を添えた。
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