AKANE
「陛下がなぜアザエル閣下をああまで憎んでいるのかがやっとわかりました。でも・・・、閣下は本当はとてもいい方なんです。氷の男だと呼ばれることもありますが、誰よりも亡き魔王ルシファー陛下に忠義を尽くし、ゴーディアの民を愛しておられます。きっと、ルシファー陛下の最期のお望みを叶える為、この国の安泰を維持し続ける為に躍起になっておられたのでしょう・・・」
お世辞にもあの男がいい人だとは思えそうにはないが、この国の危うい現状を知った今、アザエルが捨て身で起こした数々のことを理解できないこともなかった。
「だけど、やっぱりわたしはあの人を許せない。どんな理由があったにしても、わたしの全てを奪ってしまったあの人を・・・」
ルイは悲しそうな表情を落とした。
「だけど・・・、わたしはフェルデンやユリウスさんが心配だし、なんとかして二人を助けたい。ルイも協力してくれる?」
執務室を追い出されたヘロルドは、廊下に出て地団駄を踏んだ。
「くっそう、あの糞餓鬼どもめ・・・! 見た目こそルシファー陛下にそっくりだが、魔力など微塵も感じぬではないか! 今に見ていろ・・・! おれを虚仮にしたこと、しかと後悔させてやる・・・!」
痩せた男は、不気味な笑みを浮かべ、不穏な計画を練り始めるのであった。
お世辞にもあの男がいい人だとは思えそうにはないが、この国の危うい現状を知った今、アザエルが捨て身で起こした数々のことを理解できないこともなかった。
「だけど、やっぱりわたしはあの人を許せない。どんな理由があったにしても、わたしの全てを奪ってしまったあの人を・・・」
ルイは悲しそうな表情を落とした。
「だけど・・・、わたしはフェルデンやユリウスさんが心配だし、なんとかして二人を助けたい。ルイも協力してくれる?」
執務室を追い出されたヘロルドは、廊下に出て地団駄を踏んだ。
「くっそう、あの糞餓鬼どもめ・・・! 見た目こそルシファー陛下にそっくりだが、魔力など微塵も感じぬではないか! 今に見ていろ・・・! おれを虚仮にしたこと、しかと後悔させてやる・・・!」
痩せた男は、不気味な笑みを浮かべ、不穏な計画を練り始めるのであった。