AKANE
「え?」
「は?」
朱音とルイは気の抜けた声を出す。
「申し訳ありませんが、手荷物は置いて行ってくださいね」
クリストフはぐいと朱音とルイの手を引いて窓際へと引き寄せた。
「一体何を・・・!」
ルイが口を開いたと同時に、朱音と従者の少年は謎の美容師に勢いよく窓の外へと放り投げられていた。
「!!!!!!!!」
瞬間、ゴオッと唸りを上げながら、突発的に旋風が巻き起こる。あまりの強風に、後方で部屋の扉が開き、部屋中の物という物が宙に舞うのが視界の端に映った。
「お望み通り、広い世界へとお連れしましょう!」
驚くべきことに、朱音とルイはふわりと空を舞っていた。
というより、強い風に吹き飛ばされているといった方がぴんとくるかもしれない。
遠ざかる魔城、離れゆく国王の私室の窓から、小さな人影が窓から外に乗り出しているのが見える。トマ・クストーだ。
突如突風に攫われた少年王と従者の少年が夜空に消えていくのを、きっと口をあんぐりと開けて見ているに違いない。
ルイの顔は真っ青になって引き攣れている。
朱音は今までに感じたことのないスリルと、快感に包まれていた。
それに、トマ・クストーやルイの様子が可笑しくて可笑しくて堪らず、声を上げて笑った。クリストフも愉快そうに微笑んでいる。
「やっぱり、あなたを呼んでよかった!」
愛するフェルデンを守る為、朱音とその友ルイ、謎の美容師クリストフの奇妙な三人の旅はこうして始まったのである。
「は?」
朱音とルイは気の抜けた声を出す。
「申し訳ありませんが、手荷物は置いて行ってくださいね」
クリストフはぐいと朱音とルイの手を引いて窓際へと引き寄せた。
「一体何を・・・!」
ルイが口を開いたと同時に、朱音と従者の少年は謎の美容師に勢いよく窓の外へと放り投げられていた。
「!!!!!!!!」
瞬間、ゴオッと唸りを上げながら、突発的に旋風が巻き起こる。あまりの強風に、後方で部屋の扉が開き、部屋中の物という物が宙に舞うのが視界の端に映った。
「お望み通り、広い世界へとお連れしましょう!」
驚くべきことに、朱音とルイはふわりと空を舞っていた。
というより、強い風に吹き飛ばされているといった方がぴんとくるかもしれない。
遠ざかる魔城、離れゆく国王の私室の窓から、小さな人影が窓から外に乗り出しているのが見える。トマ・クストーだ。
突如突風に攫われた少年王と従者の少年が夜空に消えていくのを、きっと口をあんぐりと開けて見ているに違いない。
ルイの顔は真っ青になって引き攣れている。
朱音は今までに感じたことのないスリルと、快感に包まれていた。
それに、トマ・クストーやルイの様子が可笑しくて可笑しくて堪らず、声を上げて笑った。クリストフも愉快そうに微笑んでいる。
「やっぱり、あなたを呼んでよかった!」
愛するフェルデンを守る為、朱音とその友ルイ、謎の美容師クリストフの奇妙な三人の旅はこうして始まったのである。