AKANE
その言葉に驚き、そして感激したこと。
しかしその直後、“ルイはわたしの友達でしょ? だから側近なんて思ってないよ“と続けられた言葉にルイは呼吸さえするのを忘れていた。
友達という言葉を知らずに生きてきたルイにとって、クロウの言ったことはどんな魔力よりも強い力を持っていた。大切な主であること以前に、ルイは初めて友としてこの人の近くで支えになりたいと心から感じたのだ。
「そう落ち込むなって・・・! まずは自分が助かった幸運を喜ぶべきだぜ!」
青年が真っ青になったルイを励まそうと、じっと下から顔を覗き込んだ。
ルイはそのとき初めて、青年が燃えるような緋色の瞳をしていることに気がついた。
「でも・・・僕は・・・、ずっと傍に仕えると誓ったんです・・・。なのに・・・」
いつか、ずっと一緒にいると思っていたロランが突然目の前からいなくなってしまったときの孤独感を思い出した。彼がどうして自分の前から去ったのかは未だ分からないが、今度はルイ自身が手を離してしまったという大きな失態をしてしまった。
「待てよ、まだ諦めるには早いぜ? よく考えても見ろよ、俺達だってあの嵐の中こうして生きてこの島に流れついたんだ。お前と一緒に流されたっていうそいつも、どっかで生きてる可能性だって十分あり得るだろ?」
気がつくと、ルイは青年の手を強く握り締めていた。
「ほんとに!? ほんとですか!?」
「えっ、ああ・・・」
僅かな希望を見出し、ルイはそれでもその希望に縋り付くしかなかった。
苦笑を漏らすと、青年は頷いた。
「俺は船じゃエフと呼ばれてた。お前は?」
緋色の瞳をじっと見つめ、ルイははっきりとした声で言った。
「ルイです。エフさん、僕の主人を探すのを手伝ってください!!」
しかしその直後、“ルイはわたしの友達でしょ? だから側近なんて思ってないよ“と続けられた言葉にルイは呼吸さえするのを忘れていた。
友達という言葉を知らずに生きてきたルイにとって、クロウの言ったことはどんな魔力よりも強い力を持っていた。大切な主であること以前に、ルイは初めて友としてこの人の近くで支えになりたいと心から感じたのだ。
「そう落ち込むなって・・・! まずは自分が助かった幸運を喜ぶべきだぜ!」
青年が真っ青になったルイを励まそうと、じっと下から顔を覗き込んだ。
ルイはそのとき初めて、青年が燃えるような緋色の瞳をしていることに気がついた。
「でも・・・僕は・・・、ずっと傍に仕えると誓ったんです・・・。なのに・・・」
いつか、ずっと一緒にいると思っていたロランが突然目の前からいなくなってしまったときの孤独感を思い出した。彼がどうして自分の前から去ったのかは未だ分からないが、今度はルイ自身が手を離してしまったという大きな失態をしてしまった。
「待てよ、まだ諦めるには早いぜ? よく考えても見ろよ、俺達だってあの嵐の中こうして生きてこの島に流れついたんだ。お前と一緒に流されたっていうそいつも、どっかで生きてる可能性だって十分あり得るだろ?」
気がつくと、ルイは青年の手を強く握り締めていた。
「ほんとに!? ほんとですか!?」
「えっ、ああ・・・」
僅かな希望を見出し、ルイはそれでもその希望に縋り付くしかなかった。
苦笑を漏らすと、青年は頷いた。
「俺は船じゃエフと呼ばれてた。お前は?」
緋色の瞳をじっと見つめ、ルイははっきりとした声で言った。
「ルイです。エフさん、僕の主人を探すのを手伝ってください!!」