AKANE
暑さで霞む視界で、朱音はすぐ隣で体格のいい雄のチッポカに跨るアリゴに目をやった。
「どうかしたんですか?」
アリゴはこの砂漠の太陽で、顔を赤黒く日焼けさせていたが、その顔から少しばかり血の気が引いているのがわかった。 アリゴは口をパクパクさせながら、前方の砂漠を指差す。
「やべえっ、ありゃあドラコだ・・・、間違いねえ・・・!」
焦った声を出すと、アリゴは朱音の乗るチッポカの手綱をぐいと引き寄せた。
「ドラコ? うわっ、て何??」
突然乱暴に引き寄せられ、朱音は驚いてアリゴを振り返る。
「ずらかるぞ! こっちに来い!」
雌のチッポカの背から乱暴にアリゴの乗るチッポカの背へと移されると、アリゴはひどく慌てた様子で、雄のチッポカの尻をぴしりと平手で叩いた。
「グウウウン!!」
驚いた雄のチッポカは大きく身体を揺らすと、今までの穏やかな歩きからは想像もつかない勢いで走り始めた。
「うわっ!? えっ、ほんとにどうしたんだってば!」
状況が全く理解できない朱音は凄まじく揺れるチッポカの背中の上で、朱音は叫んだ。
「うるせえ、黙ってろ!」
アリゴが後ろを気にしながらチッポカの尻を何回も叩く。朱音は懸命に背後を振り返ろうとするが、身体が密着するような形で朱音のすぐ後ろに座るアリゴの身体が大きすぎるせいで、遮られて何も見えない。
ただ、さっきまで朱音が乗っていたチッポカは、砂漠の真ん中で乗り捨てられたようでもう近くにはいない。
(どうしよう、さっきの子、この暑さで放っておかれたら死んじゃうんじゃ・・・!)
朱音がそんなことを心配していると、すぐ近くで別のチッポカが砂の上を走る音が耳に届いてきた。一瞬、さっきのチッポカが追いついてきたのかと思ったけれど、すぐさまそれは違うと気付いた。
「どうかしたんですか?」
アリゴはこの砂漠の太陽で、顔を赤黒く日焼けさせていたが、その顔から少しばかり血の気が引いているのがわかった。 アリゴは口をパクパクさせながら、前方の砂漠を指差す。
「やべえっ、ありゃあドラコだ・・・、間違いねえ・・・!」
焦った声を出すと、アリゴは朱音の乗るチッポカの手綱をぐいと引き寄せた。
「ドラコ? うわっ、て何??」
突然乱暴に引き寄せられ、朱音は驚いてアリゴを振り返る。
「ずらかるぞ! こっちに来い!」
雌のチッポカの背から乱暴にアリゴの乗るチッポカの背へと移されると、アリゴはひどく慌てた様子で、雄のチッポカの尻をぴしりと平手で叩いた。
「グウウウン!!」
驚いた雄のチッポカは大きく身体を揺らすと、今までの穏やかな歩きからは想像もつかない勢いで走り始めた。
「うわっ!? えっ、ほんとにどうしたんだってば!」
状況が全く理解できない朱音は凄まじく揺れるチッポカの背中の上で、朱音は叫んだ。
「うるせえ、黙ってろ!」
アリゴが後ろを気にしながらチッポカの尻を何回も叩く。朱音は懸命に背後を振り返ろうとするが、身体が密着するような形で朱音のすぐ後ろに座るアリゴの身体が大きすぎるせいで、遮られて何も見えない。
ただ、さっきまで朱音が乗っていたチッポカは、砂漠の真ん中で乗り捨てられたようでもう近くにはいない。
(どうしよう、さっきの子、この暑さで放っておかれたら死んじゃうんじゃ・・・!)
朱音がそんなことを心配していると、すぐ近くで別のチッポカが砂の上を走る音が耳に届いてきた。一瞬、さっきのチッポカが追いついてきたのかと思ったけれど、すぐさまそれは違うと気付いた。