AKANE
クロウはどきりとする程朱音に顔を近付け、「いいよ」と答えた。
ほんの朱音よりもほんの少し背が高い少年に、今度は前から抱きしめられていた。
「もっと別の形で会いたかったな・・・。そしたら、ぼ僕はきっと君を好きになってたのに」
そう耳元で囁かれたと思った途端、急にぱっと視界が明るくなった。
ぼこぼこと地面が隆起し、二人の騎士の間に巨大な土の山が出現していた。
突如出現した山に驚き、二頭の馬はすっかり落ち着きを失っている。
しかし、どうにか間に合ったようであった。
「何者だ! おれたちの闘いを邪魔立てする者は!」
不機嫌な様子で、槍を地面に突き立て、ライシェルが叫んだ。
「闘いを止めたのはわたしです、ライシェルさん。この無意味で馬鹿げた闘いを止めに来たんです!」
砂山の反対側では、フェルデンもその声の主を見て驚きを隠せない様子である。
「わたしはゴーディアの新国王、クロウです。ゴーディアの兵をすぐに撤退させて下さい。これは、国王命令です!」
「クロウ陛下!?」
ここに居るはずのないゴーディアの国王が忽然として現れたことにより、一時ディアーゼの戦場は騒然となった。
ほんの朱音よりもほんの少し背が高い少年に、今度は前から抱きしめられていた。
「もっと別の形で会いたかったな・・・。そしたら、ぼ僕はきっと君を好きになってたのに」
そう耳元で囁かれたと思った途端、急にぱっと視界が明るくなった。
ぼこぼこと地面が隆起し、二人の騎士の間に巨大な土の山が出現していた。
突如出現した山に驚き、二頭の馬はすっかり落ち着きを失っている。
しかし、どうにか間に合ったようであった。
「何者だ! おれたちの闘いを邪魔立てする者は!」
不機嫌な様子で、槍を地面に突き立て、ライシェルが叫んだ。
「闘いを止めたのはわたしです、ライシェルさん。この無意味で馬鹿げた闘いを止めに来たんです!」
砂山の反対側では、フェルデンもその声の主を見て驚きを隠せない様子である。
「わたしはゴーディアの新国王、クロウです。ゴーディアの兵をすぐに撤退させて下さい。これは、国王命令です!」
「クロウ陛下!?」
ここに居るはずのないゴーディアの国王が忽然として現れたことにより、一時ディアーゼの戦場は騒然となった。