AKANE
しかし、その言葉を聞いた途端、朱音はひどい頭痛で頭を抱え込んだ。
「ちょ・・・、朱音・・・!? まじで大丈夫? 誰か呼んで来ようか・・・?」
友人の状態に心配した愛美は、
「ここでちょっと待ってて。彼氏呼んでくるから」
とだけ言って、慌ててトイレから飛び出していった。
残された朱音は、洗面台に圧し掛かるような姿勢で、荒い息でもたれ掛かっていた。真っ青になった自分の顔が、鏡に映っている。
(これはほんとに不味いかもしんない・・・)
そう思った瞬間、鏡の中の自分がぐにゃりと歪んで別人へと姿を変えた。
「!?」
驚いて、目をごしごしと擦るが、鏡に現れた世にも美しい漆黒の髪の美少年は、消えることなく朱音を見つめてくる。
痛みのせいで幻覚を見ているのかと疑ったが、そのあまりにリアルな光景に、その少年の人間離れしすぎた美貌を前に、ただ呆然と見入っていた。
「アカネ」
すると、突然鏡の中の少年が口を開き、朱音の名を呼ぶではないか。
(なっ、なんでこの子わたしの名前を知ってるの!? ってか誰!?)
「こんな偽の世界に囚われていていいの? 君の居場所はここじゃないでしょ」
全く訳のわからないことを言われ、朱音は訝しげに少年を見た。
「偽の世界・・・?」
「ちょ・・・、朱音・・・!? まじで大丈夫? 誰か呼んで来ようか・・・?」
友人の状態に心配した愛美は、
「ここでちょっと待ってて。彼氏呼んでくるから」
とだけ言って、慌ててトイレから飛び出していった。
残された朱音は、洗面台に圧し掛かるような姿勢で、荒い息でもたれ掛かっていた。真っ青になった自分の顔が、鏡に映っている。
(これはほんとに不味いかもしんない・・・)
そう思った瞬間、鏡の中の自分がぐにゃりと歪んで別人へと姿を変えた。
「!?」
驚いて、目をごしごしと擦るが、鏡に現れた世にも美しい漆黒の髪の美少年は、消えることなく朱音を見つめてくる。
痛みのせいで幻覚を見ているのかと疑ったが、そのあまりにリアルな光景に、その少年の人間離れしすぎた美貌を前に、ただ呆然と見入っていた。
「アカネ」
すると、突然鏡の中の少年が口を開き、朱音の名を呼ぶではないか。
(なっ、なんでこの子わたしの名前を知ってるの!? ってか誰!?)
「こんな偽の世界に囚われていていいの? 君の居場所はここじゃないでしょ」
全く訳のわからないことを言われ、朱音は訝しげに少年を見た。
「偽の世界・・・?」