AKANE
12話 王都炎上
今、美しき白亜の城で、至上最大の闘いが繰り広げられようとしていた。
アザエルは若きゴーディア王への忠誠の為に、
ヘロルドは、王座を手にする為に、
ファウストは、より強き力の為に、
そしてヴィクトル王は、サンタシの民の為に・・・。
そして、ヴィクトル王は、絶対絶命の危機に瀕していた。
ヘロルドは、もう目前まで迫った“王座”に目が眩み、盲目になっている。ヴィクトル王に、慣れない短剣を向け今まさに切りかかろうとしていた。
一方、ヴィクトル王の護衛役である魔王の側近アザエルは、いまや突如現れた新たな敵、ファウストに阻まれその役割を完全に邪魔されていた。
あまり剣の得意ではないヴィクトル王だったが、とりあえず護身用の短剣を懐から取り出し、汗ばむ手でヘロルドと対峙している。
「サンタシの王よ、もう諦めろ。この城はもうわたしの手の中だ、ふはははははっ」
落ち窪んだヘロルドの眼がぎらぎらと怪しく光る。口は笑っているが目は全く笑ってはいない。
「悪いが、サンタシの王族は、代々諦めが悪い。たとえ駄目とわかってはいても、そう簡単にはやられてやるまい」
ヴィクトルの額からは、緊張の汗がつうと一筋流れ落ちる。
「ただの人間の王に一体何ができるという? 死ね! サンタシの王よ!」
ヘロルドがびゅうと音を立てて乱暴に短剣を一振りしたが、それは敢え無くもヴィクトル王に難なくかわされてしまう。
アザエルは若きゴーディア王への忠誠の為に、
ヘロルドは、王座を手にする為に、
ファウストは、より強き力の為に、
そしてヴィクトル王は、サンタシの民の為に・・・。
そして、ヴィクトル王は、絶対絶命の危機に瀕していた。
ヘロルドは、もう目前まで迫った“王座”に目が眩み、盲目になっている。ヴィクトル王に、慣れない短剣を向け今まさに切りかかろうとしていた。
一方、ヴィクトル王の護衛役である魔王の側近アザエルは、いまや突如現れた新たな敵、ファウストに阻まれその役割を完全に邪魔されていた。
あまり剣の得意ではないヴィクトル王だったが、とりあえず護身用の短剣を懐から取り出し、汗ばむ手でヘロルドと対峙している。
「サンタシの王よ、もう諦めろ。この城はもうわたしの手の中だ、ふはははははっ」
落ち窪んだヘロルドの眼がぎらぎらと怪しく光る。口は笑っているが目は全く笑ってはいない。
「悪いが、サンタシの王族は、代々諦めが悪い。たとえ駄目とわかってはいても、そう簡単にはやられてやるまい」
ヴィクトルの額からは、緊張の汗がつうと一筋流れ落ちる。
「ただの人間の王に一体何ができるという? 死ね! サンタシの王よ!」
ヘロルドがびゅうと音を立てて乱暴に短剣を一振りしたが、それは敢え無くもヴィクトル王に難なくかわされてしまう。