AKANE
「でも、アカネさん。今はまだ泣く時ではありませんよ? あれをなんとかしないと、王都ともども、わたしたちも塵と化すことになります」
クリストフの言葉に、ふっと引き戻された朱音は、涙をごしごしとこすり、尚巨大化を続ける竜巻に目をやった。
「うん、そうだね、早く止めなきゃ・・・!」
そうは思うものの、どうやってあの大きな竜巻を止めればいいのかが未だわからない。
「だけど、どうやって・・・」
クリストフは朱音の手を自らの手首に握らせた。
そこで得た感触は、あの時の手枷の感触によく似ていた。あのアザエルの魔力を封じていた手枷とそっくりの物。
「アカネさん、まずはこれを外してくれませんか?」
クリストフの腕に嵌められた手枷は、確かに魔力封じの手枷であった。恐らくは、何者かがクリストフを捕らえ、脅威となるその魔力を封じようとしたのだろう。
「分かった、やってみる・・・!」
あの夜と同じように、朱音は目を閉じ、クリストフの手枷に触れた。
『カッ』
以前よりも難なくその手枷は外れ、金の彫刻を施されたそれは、土のうえにぽさりと落ちて転がった。
「ありがとうございます。さて、では参りましょうか?」
片目を閉じて合図すると、朱音は小首を傾げた。
「久しぶりに解放された魔力です。どうも力が疼いて仕方無いんですよ!! 今日は思う存分飛ばしますよ!!!」
クリストフの言葉に、ふっと引き戻された朱音は、涙をごしごしとこすり、尚巨大化を続ける竜巻に目をやった。
「うん、そうだね、早く止めなきゃ・・・!」
そうは思うものの、どうやってあの大きな竜巻を止めればいいのかが未だわからない。
「だけど、どうやって・・・」
クリストフは朱音の手を自らの手首に握らせた。
そこで得た感触は、あの時の手枷の感触によく似ていた。あのアザエルの魔力を封じていた手枷とそっくりの物。
「アカネさん、まずはこれを外してくれませんか?」
クリストフの腕に嵌められた手枷は、確かに魔力封じの手枷であった。恐らくは、何者かがクリストフを捕らえ、脅威となるその魔力を封じようとしたのだろう。
「分かった、やってみる・・・!」
あの夜と同じように、朱音は目を閉じ、クリストフの手枷に触れた。
『カッ』
以前よりも難なくその手枷は外れ、金の彫刻を施されたそれは、土のうえにぽさりと落ちて転がった。
「ありがとうございます。さて、では参りましょうか?」
片目を閉じて合図すると、朱音は小首を傾げた。
「久しぶりに解放された魔力です。どうも力が疼いて仕方無いんですよ!! 今日は思う存分飛ばしますよ!!!」