AKANE
全ての力を消耗してしまったクリストフはよろけるようにして、地面に腰を下ろした。
「すみません・・・、情けないですが、わたしは当分動けそうにありません。少し休んでから、またきっと追いつきますので、貴女は先に行ってくださいね」
疲労しきったクリストフは、もはや話すことも気だるい様子で、荒く息をしている。これ以上彼に無理を強いる訳にはいかない。
まだ、闘いは終わった訳ではない。今、サンタシとゴーディアの騎士達も、きっと全力で王都の人々の避難をすすめてくれている筈だ。そして、今やこの地の王となったフェルデンは、ヴィクトル王が命を賭けて守ろうとしたこの国を守る為、きっと奔走していることだろう。
朱音は突然ひどい目眩を感じ、その場に屈み込んだ。
「どうしたんですか、アカネさん・・・?」
自分もひどく辛い筈なのに、クリストフが心配そうに朱音の表情を覗き込んでくる。
「・・・大丈夫です・・・、ただちょっと眠くて・・・」
こんな時だというのに、急激な眠気が朱音を襲い始めていた。そして、その異変にクリストフ自身も気付いていた。今にも彼女が消えて無くなりそうな、そんな気配を彼は感じ取ったのだ。
クリストフは朱音の肩をそっと抱くと、その耳元で優しく囁いた。
「アカネさん、もしわたしが貴女の全てを知っていると言ったら、どうしますか?」
朱音は眠い目をこすりながら、クリストフの彫りの深い顔を見つめた。
「それ・・・、どういうことですか・・・?」
クリストフはもう、朱音に限界が近付いていることを感じ取っていた。
「すみません・・・、情けないですが、わたしは当分動けそうにありません。少し休んでから、またきっと追いつきますので、貴女は先に行ってくださいね」
疲労しきったクリストフは、もはや話すことも気だるい様子で、荒く息をしている。これ以上彼に無理を強いる訳にはいかない。
まだ、闘いは終わった訳ではない。今、サンタシとゴーディアの騎士達も、きっと全力で王都の人々の避難をすすめてくれている筈だ。そして、今やこの地の王となったフェルデンは、ヴィクトル王が命を賭けて守ろうとしたこの国を守る為、きっと奔走していることだろう。
朱音は突然ひどい目眩を感じ、その場に屈み込んだ。
「どうしたんですか、アカネさん・・・?」
自分もひどく辛い筈なのに、クリストフが心配そうに朱音の表情を覗き込んでくる。
「・・・大丈夫です・・・、ただちょっと眠くて・・・」
こんな時だというのに、急激な眠気が朱音を襲い始めていた。そして、その異変にクリストフ自身も気付いていた。今にも彼女が消えて無くなりそうな、そんな気配を彼は感じ取ったのだ。
クリストフは朱音の肩をそっと抱くと、その耳元で優しく囁いた。
「アカネさん、もしわたしが貴女の全てを知っていると言ったら、どうしますか?」
朱音は眠い目をこすりながら、クリストフの彫りの深い顔を見つめた。
「それ・・・、どういうことですか・・・?」
クリストフはもう、朱音に限界が近付いていることを感じ取っていた。