AKANE
「やはり、お前はどこまでも冷酷な魔王の側近なんだな・・・」
フェルデンがそう溢したとき、少年王の身体がぴくりと動いた。
「アカネ!」
慌てて少年王の傍に駆け寄ると、ゆっくりと目を開いた少年王は小さく口を開いた。
「残念だけど、もう僕はアカネじゃない」
むくりと起き上がった少年王は、以前と変わらぬ美しい容貌であったが、どこかしら以前の様子とは違って見えた。
「おかりなさいませ、陛下」
アザエルは少年王の傍らで静かに膝をついて礼の形をとった。
「アザエル、長い間不在にしていて悪かったね。僕がいない間になんだかややこしいことになってるみたいだけど・・・」
フェルデンは、すっかり変貌してしまった少年王の姿を呆然と見つめた。
「陛下・・・、ザルティスの軍が陛下の命を狙っております。ベリアル王妃が秘密裏に集め、二百年の年月をかけて作り上げた兵のようです。おそらくは、あのブラントミュラーが深く関わっているかと」
「そうか、母上が・・・」
悲しそうに僅かに俯いた後、少年王は凛とした表情で顔を上げた。
「ザルティスの軍を一掃する」
「はっ」
呆然として立ち竦むフェルデンの存在に気付き、少年王クロウは言葉を掛けた。
フェルデンがそう溢したとき、少年王の身体がぴくりと動いた。
「アカネ!」
慌てて少年王の傍に駆け寄ると、ゆっくりと目を開いた少年王は小さく口を開いた。
「残念だけど、もう僕はアカネじゃない」
むくりと起き上がった少年王は、以前と変わらぬ美しい容貌であったが、どこかしら以前の様子とは違って見えた。
「おかりなさいませ、陛下」
アザエルは少年王の傍らで静かに膝をついて礼の形をとった。
「アザエル、長い間不在にしていて悪かったね。僕がいない間になんだかややこしいことになってるみたいだけど・・・」
フェルデンは、すっかり変貌してしまった少年王の姿を呆然と見つめた。
「陛下・・・、ザルティスの軍が陛下の命を狙っております。ベリアル王妃が秘密裏に集め、二百年の年月をかけて作り上げた兵のようです。おそらくは、あのブラントミュラーが深く関わっているかと」
「そうか、母上が・・・」
悲しそうに僅かに俯いた後、少年王は凛とした表情で顔を上げた。
「ザルティスの軍を一掃する」
「はっ」
呆然として立ち竦むフェルデンの存在に気付き、少年王クロウは言葉を掛けた。