AKANE
訝しげに何やら企む男を見返すと、貴婦人は訊ねた。
「ただの時間稼ぎ・・・?」
「ええ。今、残りの兵力全てをこの王都に集結させています。ザルティス軍には、あともう少し時間稼ぎをして貰う必要がありますので」
落ち着きを取り戻した貴婦人の手をとり、ブラントミュラーは微笑みを浮かべた。
「全ては愛しい貴女の為に・・・。きっと貴女の望みをこのブラントミュラーが叶えてみせましょう」
まさか、ブラントミュラーが二百年前のあの日、ベリアルと交わした約束を果たそうとしていることなど、彼女はまだ気付いていなかったのだ。
「一体どこから湧いてくるんだ、これじゃあ限が無い・・・!」
アレクシが、さすがに体力を消耗し始めたのか、額から汗を滴らせながら剣を振るい続けている。疲労が出始めているのは、アレクシだけではなかった。
ザルティスの神兵は、クロウの雷で冷静さを失ってはいたが、後から後からまるで湧き出てきているかのように、次々と新たに現れ襲い掛かってくる。
「確かに、これでは流石にこちらの体力が持たないな」
「ただの時間稼ぎ・・・?」
「ええ。今、残りの兵力全てをこの王都に集結させています。ザルティス軍には、あともう少し時間稼ぎをして貰う必要がありますので」
落ち着きを取り戻した貴婦人の手をとり、ブラントミュラーは微笑みを浮かべた。
「全ては愛しい貴女の為に・・・。きっと貴女の望みをこのブラントミュラーが叶えてみせましょう」
まさか、ブラントミュラーが二百年前のあの日、ベリアルと交わした約束を果たそうとしていることなど、彼女はまだ気付いていなかったのだ。
「一体どこから湧いてくるんだ、これじゃあ限が無い・・・!」
アレクシが、さすがに体力を消耗し始めたのか、額から汗を滴らせながら剣を振るい続けている。疲労が出始めているのは、アレクシだけではなかった。
ザルティスの神兵は、クロウの雷で冷静さを失ってはいたが、後から後からまるで湧き出てきているかのように、次々と新たに現れ襲い掛かってくる。
「確かに、これでは流石にこちらの体力が持たないな」