AKANE
「何ですと・・・?」
見たことの無い奇妙な生物に、ディートハルトは首を傾げ警戒している。
「マブ。実体を持たない精霊に父上の強い魔力からできた羽を与えて創り出した、妖精・・・。いや、そんな可愛いもんじゃないな、使い魔と言った方が適切かも・・・」
「三、四、五・・・・、六匹いるぞ」
フェルデンが飛び回るそれを目で追い数えた。
「気をつけて。昔、一度父があれを出したのを見たことがあったけれど、あれは一匹一匹が強い魔力を持っている。そのときは、たった一匹で敵を全て食いつくしていたよ」
クロウのぞっとする話に、フェルデンは眉を顰(ひそ)めて剣の柄に手を携えた。
いつの間にか、ベリアルの存在はその場から消え去っていた。おそらくは、危険なこの場所から、安全且つよく状況が見渡せる場所へと移動したのだろう。
「遊べ」
ルシファーが呟くと、『キーッ』と耳障りな声で牙を剥き出し、物凄いスピードでマブが襲い掛かってくる。
そのうちの一匹は、空を旋回しながら様子を見守っていたスキュラと赤い竜へと突進していった。
「スキュラ!!」
はっとしてクロウが叫んだときには、既にマブはスキュラの横腹に噛み付く寸前であった。
「危ない!!」
ぶんと大剣がクロウの鼻の真横を横切り、慌てて振り向くと、ディートハルトがクロウに噛み付こうとしたマブを追い払った瞬間であった。
クロウは黒い煙でマブを捕縛し、包み込んだそれでぐしゃりと潰してしまった。
空では、危機一髪で、スキュラに噛み付こうとしたマブを赤い竜が吐き出した炎でうまく追い払っていた。
ほっとしつつ、クロウは再び自らに意識を戻す。
六匹中一匹が減って残りは五匹。
しかし、仲間を殺られたマブは、警戒して一旦三人の近くから離れて距離をとった。
見たことの無い奇妙な生物に、ディートハルトは首を傾げ警戒している。
「マブ。実体を持たない精霊に父上の強い魔力からできた羽を与えて創り出した、妖精・・・。いや、そんな可愛いもんじゃないな、使い魔と言った方が適切かも・・・」
「三、四、五・・・・、六匹いるぞ」
フェルデンが飛び回るそれを目で追い数えた。
「気をつけて。昔、一度父があれを出したのを見たことがあったけれど、あれは一匹一匹が強い魔力を持っている。そのときは、たった一匹で敵を全て食いつくしていたよ」
クロウのぞっとする話に、フェルデンは眉を顰(ひそ)めて剣の柄に手を携えた。
いつの間にか、ベリアルの存在はその場から消え去っていた。おそらくは、危険なこの場所から、安全且つよく状況が見渡せる場所へと移動したのだろう。
「遊べ」
ルシファーが呟くと、『キーッ』と耳障りな声で牙を剥き出し、物凄いスピードでマブが襲い掛かってくる。
そのうちの一匹は、空を旋回しながら様子を見守っていたスキュラと赤い竜へと突進していった。
「スキュラ!!」
はっとしてクロウが叫んだときには、既にマブはスキュラの横腹に噛み付く寸前であった。
「危ない!!」
ぶんと大剣がクロウの鼻の真横を横切り、慌てて振り向くと、ディートハルトがクロウに噛み付こうとしたマブを追い払った瞬間であった。
クロウは黒い煙でマブを捕縛し、包み込んだそれでぐしゃりと潰してしまった。
空では、危機一髪で、スキュラに噛み付こうとしたマブを赤い竜が吐き出した炎でうまく追い払っていた。
ほっとしつつ、クロウは再び自らに意識を戻す。
六匹中一匹が減って残りは五匹。
しかし、仲間を殺られたマブは、警戒して一旦三人の近くから離れて距離をとった。