AKANE
「ええ、まあ、話したと言えば話しましたね・・・。ですが、話していたのはアカネさんの身体でしたけど・・・」
「それは、一体どういうことだ・・・?」
困り顔のユリウスは、フェルデンに説明を加える。
「ええと、上手く説明できないですが、アカネさんとクロウ陛下は同じ魂の為同時に存在することができないんだと思います・・・。ですから、クロウ陛下は自らこんな行動を・・・」
ユリウスの説明に、フェルデンは難しい顔をしたまま目を閉じて考え込んでしまう。
「つまり、お前はアカネの身体を使って話すクロウと言葉を交わしたと・・・?」
大きく頷くと、ユリウスは「おそらく」と返答した。
フェルデンは、とんでもないことになってしまったと、今にも頭を抱え出しそうな雰囲気だった。
「お取り込み中に申し訳ない」
ふと、背後から落ち着いた声がして三人は振り返った。
そこには、旅装束に衣替えを済ませた槍遣い、ライシェルが静かに扉の前に立っていた。
「サンタシ国王、フェルデン陛下。我主クロウ陛下から書状を預かっています」
フェルデンは彼の意図を感じ取って、すっと立ち上がった。
まるで隙のないこのゴーディアの黒の騎士団指令官の男は、国王の前でもまるで物怖じする様子も無く、預かっていた書状をフェルデンに差し出した。
上等の紙に蠟で封をされた書状を受け取ると、フェルデンは光を映さないライシェルの眼を見つめた。
無言のままそれに視線を落とし、腰のナイフでを手に取ると、封に切れ目を入れる。かさりと音を立て、フェルデンは手紙に目を通していった。
「それは、一体どういうことだ・・・?」
困り顔のユリウスは、フェルデンに説明を加える。
「ええと、上手く説明できないですが、アカネさんとクロウ陛下は同じ魂の為同時に存在することができないんだと思います・・・。ですから、クロウ陛下は自らこんな行動を・・・」
ユリウスの説明に、フェルデンは難しい顔をしたまま目を閉じて考え込んでしまう。
「つまり、お前はアカネの身体を使って話すクロウと言葉を交わしたと・・・?」
大きく頷くと、ユリウスは「おそらく」と返答した。
フェルデンは、とんでもないことになってしまったと、今にも頭を抱え出しそうな雰囲気だった。
「お取り込み中に申し訳ない」
ふと、背後から落ち着いた声がして三人は振り返った。
そこには、旅装束に衣替えを済ませた槍遣い、ライシェルが静かに扉の前に立っていた。
「サンタシ国王、フェルデン陛下。我主クロウ陛下から書状を預かっています」
フェルデンは彼の意図を感じ取って、すっと立ち上がった。
まるで隙のないこのゴーディアの黒の騎士団指令官の男は、国王の前でもまるで物怖じする様子も無く、預かっていた書状をフェルデンに差し出した。
上等の紙に蠟で封をされた書状を受け取ると、フェルデンは光を映さないライシェルの眼を見つめた。
無言のままそれに視線を落とし、腰のナイフでを手に取ると、封に切れ目を入れる。かさりと音を立て、フェルデンは手紙に目を通していった。