不良の印
「二度と俺の女に手ぇ出すんじゃねえぞ」
ぶんぶんと首を縦に振る男
「分かったらとっとと失せな」
ドンッと離して、そそくさと逃げてく男
ホントだ...
何もしないんだ...
「もともと、隆弘は不良でね。いろいろと問題起こしたもんだよ、高校でも」
「高校でも...?」
どうして弘毅さんが隆弘さんの高校でのこと、知ってるの...?
「理紗!!!」
「行っておいで。隆弘が待ってるから」
「はい...」
弘毅さんがあたしを離す
隆弘さんがあたしを思いっきり抱き締める
「大丈夫か?何もされてねえか?」
「大丈夫です」
「良かった...」
あたしを抱き締める腕に力がこもる隆弘さん
微かに震えてる肩
「隆弘さん...」
「ん」
「...苦しいです...」
呼吸...しにくいです...
「あぁ、悪い」
慌てて離す