不良の印
「カバン持とうか?」
「大丈夫だよ!!」
智弘はめちゃくちゃ優しい人
あたし達、家は結構近い
だから小さい頃はよく遊んでいた
最近もたまに遊ぶ
「でも理紗を誘拐する奴ら、絶対許さねえ」
「あははっ。何もないんだから大丈夫だよ」
「まあ...でも、絶対俺は許さねえ」
智弘さん...目が光ってます...
コイツ、キレたら結構ヤバめなんだよね~...
ヴンヴン
不意にバイクの音が聞こえる
「おい...アイツら、お前が誘拐した奴じゃねえ?」
「え?」
振り返ると、たしかに隆弘さんのバイク...
嘘...
迎えに来たの...?
だけど...そのまま隣を通り過ぎて行った...
どうして...?
「絶対アイツら...許さねえ...」
...迎えに来てくれなかったんだ...
「どうした?理紗」
「えっ?あ、ううん...なんでもない...」
あたし...バカみたい...