不良の印
隆弘さんが手を振り上げてる
弘毅さんが必死に止めてるのが分かる
「あたし...行ってくる」
「うん、気を付けてね」
「蘭...あたし、伝えていいかな...」
「ん?」
蘭に背を向けて呟く
「隆弘さんに...好きって...」
「...言っておいで。理紗が無理に笑うことなんか何1つないんだよ。後悔するくらいなら伝えておいで!!」
「うおっ...」
蘭が背中を押す
振り返ると、蘭が嬉しそうに笑う
「...行ってくるね」
「うん!!」
蘭と一緒に笑って、校門まで一心不乱に走る
ま...間に合った!!!!
「た...隆弘さん!!!」
ちょっと距離を置いて遠くから叫ぶ
みんなが一斉に振り返る
緊張して呼吸がちょっと乱れる
き...緊張する...
怖いよう...
みんなの目線が...痛い...
智弘を突き落して、隆弘さんがあたしをしっかりと見てる
隆弘さん...