不良の印
「別にいいけどー...」
隆弘さんがあたしを抱き締める
「お前さぁ...俺の気持ち知ってんだろ?」
「え?あ...はい...」
そうだ...
付き合えって言われたんだっけ...最初の時に...
「別に今、返事しろとは言わねえけど...だからって他の男に触んなよ」
「へ?」
隆弘さんの顔が暗くてよく見えない...
「隆弘さんがここまで女に惚れ込むとは...」
「達哉、黙ってろ。つうか見んな」
「へい」
達哉さんは猫と戯れ始めた
「隆弘さん...?」
「5つも違う理紗に惚れるなんて...総長失格かな、俺」
「そんなこと...ありません...」
こんなこと、言っていいのは分からないけど...
「隆弘さんは、カッコいいと思います」
「...俺が?カッコいいって...そんなの幻か何かだろ」
「そんなことありません。あたしが言っていい立場とは思いませんが...隆弘さんは、みんなのことをよく理解して、気遣いだってすごい丁寧です。そんな人、暴走族に絶対居ません」
「...そんなもんか」
「はい。あたしはそうだと思います」
隆弘さんは別格...
「もしかしてそいつ、隆弘さんに惚れてんじゃ...?」