不良の印
「アイツとは、中学から仲良いんだ。そして、高1からアイツと一緒に不良に入った。まあこの族なんだけど」
「アイツさ、中学からケンカっ早くて。アイツはずっと問題児で過ごしてた。高校に受かったのも奇跡だと言われてたけど...アイツは頭、むちゃくちゃ良くてさ。見た目はまあ...悪いんだけど」
高校、受かったんだ...
「だけど、卒業待たずに高3で辞めたよ。俺は高校卒業したけど。アイツ、そん時に総長に抜擢されちゃった時期でさ。アイツは仲間と言えば族の連中しか居なかった」
「...告白...なかったんですか...?隆弘さん、カッコいいですから...」
「結構受けてたね。俺が前に居ても普通に言われてたし。だけどアイツには全然見えてねえみたいにスルーしててさ。いつか聞いたんだ。なんで全部聞かないフリするんだってね」
「聞いたんですか...」
「気になったもん。そしたらアイツ、いつか俺の前に現れるんだ。俺が守ってやりてえって心から思う奴が。それまでは絶対誰とも恋しねえ。ってな。あん時は俺も惚れたよ~」
弘毅さんは微かに頬を赤く染める
弘毅さん...男ですよ...
「それが多分理紗ちゃんなんだろうね」
「そんな...」
あたしが...?
多分...違うでしょ...
「理紗ちゃん、アイツは本気だよ。だから理紗ちゃんも嘘言わずにアイツには全部言ってあげて。アイツは全力で理紗ちゃんを受け止めてくれるから」
弘毅さんは真剣な目であたしに言う
「...はい。分かりました」
そう頷くと満足そうに微笑んだ
「さあ、寝ようか」
「はい、ありがとうございました」
「いーえ」
にっこり笑う弘毅さんを見て、隆弘さんのとこへ戻った
嬉しそうに微笑んで眠ってる隆弘さんを見て、可愛いと思った