不良の印
「いいんじゃね?ココアっぽいし」
「ですよね!!ココアー♪」
「ニャー♪」
嬉しそうに近寄って来る
「よしよし♪癒される~♪」
「理紗ちゃん、猫好きなんだね~」
「はい!!可愛いじゃないですか!!!」
「だね。俺の姉貴も猫大好きだった」
「お姉さん居るんですか?」
「あぁ。だけど2年前にがんで死んだよ」
「がんで...?」
「うん。末期がんって言ってたっけ?3年も生きてたんだけど...結局死んだんだよね」
「そうなんですか...」
どう声を掛けていいか分かんない...
「だから理紗ちゃん見ると、姉貴思い出すんだよね...」
「なんか...ごめんなさい...」
「え?」
「いつも弘毅さん、ふざけてるから...苦しみなんて分かんないと思ってたんですけど...そんなの...全然だったんですね...」
涙が...っ
「ちょっ、やめなよ。俺が泣かせたみたいじゃん」
「すいません...」
涙を拭く
「けど、癒されるよ。理紗ちゃんみてるとね」
「癒される...?」
「うん。姉貴の他にここまで猫が好きな人が俺の前に来てくれたから」
そう笑う弘毅さんは少し寂しげにうつった
ここに居る人って、色々とあるんだね...