不良の印


「俺、親居なくてさ。殺されたんだ、知らねえ奴に」


「えっ...」


殺された...?


知らない人に...?


「だから、もう誰も傷つけるとこは見たくなかった。暴走族に入ってケンカ強くなれば、守れると思った。だれも...傷ついてほしくねえんだよ」


「隆弘さん...」


「俺...総長になって、粋がってるってよく言われるようになった。だけど...本当はそんなんじゃねえ。少しでも強くなって、好きな奴を守りたいと思った」


それじゃ...


「それじゃ...意味ないです...」


「は?」


「見た目ばっか強くても...中身が弱かったら意味ないです...。そりゃ隆弘さんは、強いかも知れませんよ?けど...中身が強くなかったら何も守れないと思うんです、あたしは...」


「....」


隆弘さんが何も言わなくなってしまった


「すいません!!出しゃばったこと言っちゃって...」


「理紗が言うと心に響くな」


ニッと笑う隆弘さん


「普通に出会いたかった...」


「あ?」


あっ!!!


言って後悔した...


「...そうだな...」


隆弘さん...?


「家、送ってくよ」


急に立ち上がる隆弘さん








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