不良の印
膝を抱えて悩んでると、隆弘さんが汗だくで帰って来た
他のみんなは居ない
「隆弘さん...?」
笑おうと思っても、涙が止まらない
「理紗」
隆弘さんがあたしを優しく抱き締める
こんな優しい人が居るのに...どうして認めてくれないの...?
こんなに...癒される人なのに...
どうして...
「理紗、このまま逃げたいか?」
「え...?」
何処に...?
「このまま理紗を、誘拐すれば...誰にも邪魔されねえのか...?」
「隆弘さん...?」
「...帰ろう、理紗」
「帰る...?」
「そう。理紗の家に」
「嫌だ...っ!!」
会えなくなるのは...嫌だ...
「大丈夫。俺も一緒に行くから」
一層強くあたしを抱き締める
「理紗と、ずっと一緒に居てえんだ。だからお前ん家行って、認めてもらう。俺らが付き合ってること。...結婚することを」
「け...結婚...?」
あの...結婚ですか...?
あたしと...隆弘さんが...?