〇●ポーカーフェイス●〇


教室に戻ると待っていたのは篠原葵だ



「あ、東城さん!!今日みんなでカラオケ行くんだけど一緒に行かない??」




男女何人かのグループの中心からそう呼びかけてくる




私は当然のように無視をする




篠原葵はあの日からちょいちょい私をこんな感じで誘ってくる




毎日毎日
無視しても無視しても
くじけず私に構ってくる




そんな私に近づき、「ねえ、来ない?」
そうにこっといつもの愛想の良い表情で私を見る




私はそんな篠原葵をぎろっと何秒かみて、目をそらす




「行かない。」




それだけ言った




「あおちゃん、もうほっときなよ~」




そんな仲間たちの言葉にまた集団の中に戻っていった




篠原葵がいなくなったあと、私は本を開き、時間が経つのを待った


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