〇●ポーカーフェイス●〇

やっとクラスのみんなの自己紹介が終わり、入学式のため体育館に行くよう指示が出る




みんなが席から立ち、動き出す
私も立ち上がり一人で体育館に行こうとすると



「東城さん!」




そんな声にとめられた





私は心の中でうんざりとため息をつき、振り返る





「体育館一緒に行こうよ」




キラキラ輝く笑顔の篠原葵が目の前にいる




そして後ろにはその仲間たち




私は少し俯き、引き攣った顔を隠す





「ううん、大丈夫だよ?ほらみんな待ってるから先行ってて!私トイレ行ってから行くから」




そう言ってその場から逃げた




あんな集団の一員にされたらたまったもんじゃない





私は行きたくもないトイレに行き、意味もなく手を洗い鏡で自分の顔を映した





生きてるのか死んでるのかわからない顔




感情なんてない
そんな作り物みないな
機械みたいな




そんなヒト
それが私だった



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