〇●ポーカーフェイス●〇
私は廊下のがやがやとした賑やかな声がなくなったころにトイレからでて体育館へとむかった
教室が並ぶ廊下をスタスタと歩いているとちょうど自分の教室の前で声をかけられる
「ねえ!」
私は立ち止まり教室の中を覗くと一人の男子生徒だった
スラッとした長身で栗色のふわっとした髪の毛はゆらゆらと揺れている
シャープな小顔に
透明感のあるな肌
綺麗な二重の切れ長な目
絵に書いたような
イケメン
こんな人さっきの自己紹介のときいたっけ?
そう思いながら
「何ですか?」
そう答える
「なんで誰もいないの?」
なるほど、今遅れてきたのか。彼がいるのはちょうど私の隣の席
確かにさっき私の隣は空席だった
と、勝手に自分の中で解決した
「入学式でみんな体育館に集まってるの。早く行った方がいいと思うよ」
私はそれだけ言いその場を去った