〇●ポーカーフェイス●〇
本を読んでいる間も女子のこそこそ話が耳について集中できない
むしろこそこそ話とは言えないような声の音量
その中、一人の女子が末永の前に立つ
さっきの新入生代表の子だ
女はクルクルの髪の毛を少しいじりながら、片手を末永の腕に置いた
末永は本を開いたまま顔はあげずに目だけ女を見上げた
「ねえ、末永漣くんよね?私橘麻里華よ[タチバナマリカ]よ」
そう橘麻里華はわざとらしく目を大きく開け、ニコッと微笑む
「あぁ、よろしく。」
末永はそれだけいい、また本に目を落とす
それでもくじけず橘麻里華は末永の腕に置いてある手で末永の制服をぎゅっと掴む
「そういえば末永くんって△中学のバスケ部のエースだったわよね?これ、結構有名なのよ?高校でも部活入るわよね?偶然麻里華男子バスケ部のマネージャーやろうと思ってたの!今日一緒に見学にいかない?」
なんとまあ長い台詞をペラペラと高い声でゆうもんだ。
そんな橘麻里華の誘いに末永は目を落としたまま
「ゴメン、俺部活入んないから。他の奴誘って」と、あっさりと答えた