〇●ポーカーフェイス●〇
痛みと強さ
次の日、私はいつも通り学校へ登校する
こんなふわふわした気持ちになったのは久しぶりだ
でも宏太の前でもまだ笑ったことはない
泣いたこともなければ
怒ったこともない
相変わらず感情はあの日に置いてきたままだった
そして、取りに行こうとも思わない
でも宏太への返事はもう決まっていた。
学校につき、いつものように席に着くと珍しく末永が先に登校していた
「おはよう」
私に向かってそれだけ言う
「おはよう」
私はそれだけ返す
そんな私を眺めている末永
「お前って変わったよな。前まで完全無視だったのにな。それも恋のおかげだな」
そんな言葉に少し顔が暑くなった
「別に。ただあんたがしつこいから」
ばれないようにうつむき、目を合わせないようにする
「よかったな」
そう微笑みながら私をみる
「だから変わってないし。」
「欲を言えば、俺が変えてやりたかったけど、俺には無理だったな」
そう笑いながら言う末永の瞳は何だがさみしそうだった
ぎゅっと押しつぶされる心臓
これは何でだろう
ドキドキとかじゃなくて少し苦しくなる
「だから変えるなんて無理だって。変わる気がないんだから」
そう言って私は机に顔をつけ、寝たふりをした