〇●ポーカーフェイス●〇
私は大きく、深く、息を吸い込んで、
何秒か目を閉じ、ぱちっと開けた





「で?それが?なに?」




私は橘さんを睨みつける





「なに?これをバラして私が焦ると思った?こんなのね、こっちの地元ではみんなが知ってることよ?




橘さんが言っていることは全部あってるは。正解!





不登校になったと思ったら私のことこそこそと嗅ぎ回っていたのね
ほんとに悪趣味




お金払ってくれるなら誰とでもセックスするわよ?クラスメイトでも誰でもね。」






そう言ってクラスのみんなを見渡す





「で、これで終わり?




この幼稚な嫌がらせはなに?
私まだしんでないけど?
死んで欲しいならあんたが殺してよ。」





そう言って花瓶を指差し、橘さんに吐き捨てる






橘さんはその花瓶を手に取り、ニコッと笑う






「これはあなたにじゃなくて、夏華に。死んだのはあなたじゃなくて夏華」





そう笑いながら私をみる





そんな言葉にときが一瞬だけ止まったような気がした





「あなたのもう一つの顔は人殺し。






あなたの親友、夏華をあなたが追い詰めた。





追い詰めて追い詰めて、あの夏、夏華は」





橘さんは花瓶を一番高いところまで片手でもちあげ、そのまま手を離す






花瓶はそのまま、落ちる




何故がスローモーションに見える落ちて行く花瓶





そう、あのときの夏華と同じように






そして、地面について、
パリーーーーン‼‼
と、大きな音を立て、割れる




ガラスの破片は私のまわりに散らばった





「こんな風に。死んだ。





あなたが殺した





人殺し





人殺し





あんたは人殺しなんだよ‼」







教室に響き渡る声





あのころの映像がフラッシュバックする
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