〇●ポーカーフェイス●〇
「笑ってもいけない
泣いてもいけない
怒ってもいけない
そう、そんな資格私にはないから





一人で生きてゆく
それが自分への罰」









また風が通り抜ける






末永はこぶしを握り締め、俯く





「バカじゃねえの??」






そう呟き震える末永





「今ここに生きてることを罰だなんて言ってんじゃねえよ!!」





そんな怒鳴り声が響く





「そんなのおかしいだろ




そんなの寂しいだろ





夏華は、そんなやつだったのか?






お前のこんな状況を喜ぶような
そんな奴だったのか??






お前のことを恨むようなそんな奴だったか??






違うだろ?





お前は今生きてる






これからも生きていく






楽しいことも
悲しいことも
むかつくことも
全部感じて
全部表現する







それがお前にできることだよ






夏華が感じられなかった
嬉しいことも
全部夏華の分まで感じて笑えよ




悲しみを半分子できなかったなら
今、夏華の分までたくさんの感情を倍に感じて生きろ」








普段落ち着いたトーンの声の末永
今は声を荒上げ、私の肩を揺さぶる






私はその場にしゃがみこみ震える息を整えた
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