〇●ポーカーフェイス●〇

「ここ、俺の部屋だから、」




そう言うと東城は何も言わず部屋を見渡していた




「シャワー浴びて来いよ?血、落とさなきゃ。」





そう言って俺の部屋着とバスタオルを手渡した




「ありがとう…」




東城はそう呟くととぼとぼと風呂場へ歩いて行った




しばらくするとシャワーの音が聞こえてきた




そんな音になぜかドキドキしてる俺




もうこんなときに何がドキドキだよ
と、自分にツッコミを入れ、俺も部屋着に着替え、ベットにごろんと寝転がり、天井を見つめた




しばらくしても戻って来ない東城
シャワーの音は聞こえているまま




すこし心配になり、風呂場の外で声を掛けた




「東城?大丈夫か?」




そんな呼びかけに少し沈黙が流れ、震える声が聞こえてくる




「…なかなか落ちなくて…。ちゃんと、洗わないと…。私、汚いから…もっと洗わなきゃ」




そんな言葉に思わずドアを開けそうになったけどぐっと堪えた



「大丈夫だよ!もう綺麗だから。でて来いよ。お前は汚なくない。部屋で待ってるから。な?」




俺はそれだけいい、部屋に戻った




しばらくすると東城が戻ってきた




少しぶかっと大きめの部屋着
髪の毛は濡れたままで方にタオルを掛けている




俺は東城に近づき、腕を見るとこすりすぎたのか赤くなっている




東城は俯き、俺に背を向け、立っていた



俺はそんな東城を後ろから抱きしめた





「ごめん。ごめんね」



そう呟く東城




「違う、俺がこうしたいだけ。」




何してんだ俺




東城の香り
シャンプーの香りがふわっと漂う




心臓が爆発しそうなくらいドクドクいっている




どうしたらいいかわからなくなったときポケットの中の携帯がなった












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