〇●ポーカーフェイス●〇
息を切らして立っている俊介




俺は俊介の姿を見て息を飲んだ





傷だらけの顔に
頭にも包帯を巻いていた





今にも倒れそうなくらいフラフラしている






想像以上の姿に俺は言葉が出なかった





俊介は東城の前にしゃがみ、東城の目をまっすぐ見た




「ごめん。東城…俺、ほんとになにも知らなかったんだ…でもそんなんじゃ済まないよな…」




そんな俊介の言葉に東城は首を降った




「わかってる。あなたが何も知らなかった事わかってた…。


私のせいでごめん。
傷つけてごめん。



許してもらえないのわかってる
でもごめん。」





そうまた涙を流す





そして俺のてにぎゅっと力を込める





俊介は真剣な顔で東城を見る






「大丈夫…こんな怪我どうってことない。友達を裏切るくらいなら蹴られても、殴られてもどうってことない。


お前のせいなんかじゃない。
だから俺のことも信じろ」





そんな言葉にまた東城の顔が涙でいっぱいになる





そして俊介は俺に目を向ける




「で、これはどうなってんの?」





そう握られた東城の手を見てニヤニヤする




俺は急に顔が熱くなる




「うるせーよ。きょうはな、特別なんだよ!」





そんな言葉を言ったところで東城は俺の手をぱっと離し、俊介にぎゅっと抱きついた





何が起こっているか分からないように驚く俊介
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