〇●ポーカーフェイス●〇
結愛サイド




目覚めるといつもと違う天井




起き上がると爆睡している三人





まさかこの三人にこんなにも頼る日がくるとは思わなかった





今まで一人でいることが強さだと思ってた





大切なものなんて作らなければ悲しみなんてないと思ってた





友達なんていらない
仲間なんてくだらない
そう自分に言い聞かせていた





でもそれは全部わたしの弱さで




本当は誰かに見つけ出してもらうのを待っていたのかもしれない。




昨日、わたしは自分に誓ったんだ
また人を信じようと



この子達に私のことを伝えようって。




また裏切られたらその時は…
ここからいなくなればいい。




そんなことを考えながらぼーっと眺めていると



ゴソゴソっと末永が起き上がる





眠そうに目をこする末永
寝癖で頭がくしゃくしゃで
ぽりぽりと頭をかいている





そんな光景でさえなんだか暖かく感じる





末永は私に気づき
眠そうな目のまま微笑んだ




「…はよ。」




大あくびをしながら立ち上がり、私の隣に座った





末永の部屋着をきて
末永の部屋にいて
隣に末永がいる





末永の香りでいっぱいでなんとなく大きく深呼吸をしてみた





こんなに心が穏やかになったのっていつぶりだろう




そう考えていると末永が私の顔を覗いてきた





「何」




私は冷静にこたえ、末永の目を見た





「お、元の東城にもどった!これからもツンツンキャラでいくの?


昨日みたいに甘えないの?」





そう落ち着いた声で話し、笑いながら私を見た




私は目をそらし
「すぐには変われないかも。でもあなたたちのことは友達だと思ってる。友達になって欲しいって思う。」



そういうと末永はまた笑う



「よかったー!昨日のこと夢じゃなかった!



今日になってまた、友達なんてくだらない。私とかかわらないで。とか真顔で言われたらどうしようかとおもった!」





私は首をふる




「覚えてるから大丈夫。これからも忘れない。



西岡くんが私のこと助けてくれたことも。
篠原さんが辛いこと忘れさせてくれたことも。
末永が抱きしめて、手をずっと握っててくれたことも。
全部」





そう私が言うと末永の顔は少し赤くなり、俯く




「昨日だけの特別だからな!つうか、俺がて握ったことないとか、そんなことは忘れろよな!」





そう口をとがらす





「あ、あれ本当だったんだ。なんかごめんね…。」





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