〇●ポーカーフェイス●〇
そして、中学一年の秋。
急にリビングにみんなを呼び座らせるお父さん
いつもとは違う空気が流れていた
お父さんは真剣な表情で私たち家族の顔を一人一人眺めていた
「今日は大切な話がある、」
そんな暗い声に息を飲んだ
妹は私の手をぎゅっと握った
「お父さんの会社で売り出していた商品で食中毒が発生した…。死者が何人か出ている…。」
そんな言葉を聞いたときはその重さがわからなかった
そしてその日からニュースで何処の局でもお父さんの頭の下げている映像がながれた
家にはマスコミや、脅迫状も届くようになった
そしてお父さんの会社は倒産し、莫大な借金だけが残った