〇●ポーカーフェイス●〇


学校から帰ってきて、リビングに行くとお父さんが家政婦さんと話していた





「すまないが、明日から来なくて結構です。これ、今日までの給料だから」




そういってお金の入った茶封筒を渡す




「困ります…そんな急に言われても…給料安くなってもいいので少しの間だけでもお願いします。何でもしますから」




そう震える声でお父さんにしがみつく家政婦さん





「うちも人にお金を渡せるほどのお金が残っていないんだよ。シェフも今日でやめてもらうし、お金になるものはすべて売らないといけない状況なんだよ」




そう家政婦さんを振り払い、頭を抱えるお父さん



そんな光景を見た日から家のものは少しずつ減り、嫌がらせの電話だけが家に鳴り響いた




「人殺しー!」




そんな声が家の外から聞こえてきて、窓ガラスが割れたこともあった




そんな嫌がらせが続く程、お父さんは痩せて行き、表情がなくなった。






そんな状況のなか、もちろん私のお小遣いもなくなった




私からしたらお小遣いがなくなることに関してはどうってことなかった





だけど、
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