〇●ポーカーフェイス●〇


学校のみんなは違かった




お父さんの事件もあり、何人かのクラスメイトは私を避けるようになった




「カラオケ行く人ー!」




そう、サエコが呼び集める




私は申し訳なさそうにサエコの表情を伺った





「サエコ…?私もうお金ないから払えないんだ…それでもいいなら行こう?」




そんな言葉を発すると人は集まらなくなった




悪口を言われたり、嫌がらせされたりしたわけじゃない





ただ少しずつ私の周りから人がいなくなった




「夏華〜?帰ろー?」




そうクラスを覗くと、何人かの男子が私を囲んだ





「お前んちの親の会社やばくね?」




「何人の死者出してんの⁇」




「笑えないよな〜人殺しじゃん。よくお前も学校来れるよッッイッテ!」





喋り途中の男のお尻を思いっきり蹴り飛ばす夏華




「ごちゃごちゃうっさい。結愛は何も悪くないし、結愛にそんなこと言ったって何も変わらないから。


次そういうこといったらただじゃおかないよ」



そう男たちを睨みつける夏華




私は夏華の制服の袖をぎゅっと掴んだ





「夏華…ありがとう…」





帰っているとき、私はそうつぶやいた





夏華は振り向き満面の笑顔で私の頭をコツンと叩く




「結愛らしくないよー?可愛い顔が台無し!笑って笑って?」



そう変顔をする夏華




私は思わずぷっと噴き出す




「あぁ!結愛私の顔みて笑ったー!失礼ねー!」



そう私の髪の毛をぐちゃぐちゃっと撫でた





そして、表情を戻し、優しく微笑む





「またあんなこと誰かに言われても気にしちゃダメだよ?誰になんて言われようが何も聞いちゃダメ!そのときは私がまた助けるからね?」





< 324 / 397 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop